医療安全基礎講座2014
(日本語社会人教育プログラム)
医療安全の新しい人材育成
「人が宝」は全ての人間活動の基本です。このため、国際医療リスクマネージメント学会(IARMM)では、教育・研究促進のための国際組織として世界健康リスクマネージメントセンターを東京に設立し、健康と安全における対策に関して、様々な社会人国際教育を国内外の方々を対象に国連大学や世界銀行で行ってきました。
リスクマネージメントのリーダー育成はハーバード大学で類似の教育セミナーが毎年開催され、全米各地と海外から多数の参加があります。アジアでもこのような機会の必要性を痛感し、友人である先方の主催者の協力を得て、世界学会として2004年から日本で医療安全と医療機関の災害安全のセミナーを開催しています。2006年度以降に東京大学で開催してきた各種の医療安全教育プログラムでは、日本語社会人教育プログラムにもかかわらず、韓国、台湾などからの参加者も交え、全国各地より多数の方が参加し、いずれも定数オーバーとなりました。2012年には英国ロンドン大学でも医療安全に関する英語の国際セミナーを開催し、世界15か国から参加者が参集されました。
日本では2008年からは、医療安全の基礎を教えてほしいという国内の会員からの強い要望に対応するために、「医療安全基礎講座」を創設・開催する運びとなりました。2014年度も3日間にわたり開催する運びとなりました。
医療機関の職場安全の3大要素は、技術とシステム、組織・風土、医療従事者個人の意識と能力です。それに対応して、本学会では過去10年以上にわたり、安全工学や人間工学(ヒューマンエラー)の立場から、技術、システム、組織といった「物づくり」に関する病院の安全向上を図ってきました。他方、医療職場では、患者さんへの思いやりや心の支援、難局を乗り越える「人の努力と知恵」です。臨床コミュニケーションを踏めた人材の育成こそが人類の宝です。
このような視点から、安全で安心な信頼される医療に必要となる「適切な人材を作る」、つまり、「医療安全での能力育成」が重点課題です。
なお、医療界ではケースから学習することが伝統的方法ですので、事例報告を積極的に紹介し、参加者の思考学習の資することにしました。
超一流の世界に達した人々は皆、「基本がすべて」と申されます。本講座でも「基本が肝心」を座右の銘とし、状来とは異なる教科目も交えた斬新なプログラムをお届けいたします。
2014年2月
酒井 亮二 国際医療リスクマネージメント学会(IARMM)会長・理事長
深山 正久 東京大学大学院医学系研究科病理学教授、日本病理学会理事長
深山 治久 東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科麻酔・生体管理学分野教授
井隼 彰夫 福井大学医学部医療倫理・医療安全学教授
清野 敏一 帝京平成薬科大学教授、前東大病院薬剤部副薬剤部長
金子 恵美子 東京女子医科大学病院医療安全対策室医療安全管理者、同看護副部長
新村 美佐香 菊名記念病院医療安全管理室長
井上 清成 医療事故弁護士
主催者一同
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