医療安全基礎講座2021
(日本語社会人教育プログラム)
医療安全活動の基礎原理と方法
「人が宝」は全ての人間活動の基本です。このため、国際医療リスクマネージメント学会(IARMM)では、2003年に教育・研究促進のための国際組織として世界健康リスクマネージメントセンターを東京に設立し、健康と安全における対策に関して、様々な社会人国際教育を国内外の方々を対象に国連大学や世界銀行で行ってきました。
2006年度以降に東京大学で開催してきた各種の医療安全教育プログラムでは、日本語社会人教育プログラムにもかかわらず、韓国、台湾などからの参加者も交え、全国各地より多数の方が参加し、いずれも定数オーバーとなりました。2012年には英国ロンドン大学でも医療安全に関する英語の国際セミナーを開催し、世界15か国から参加者に参集いただきました。2008年からは、医療安全の基礎を教えてほしいという日本国内の会員からの強い要望に対応するために、「医療安全基礎講座」を創設しました。
本国際学会によるこれまでの世界各地における多数の活動を通じて、医療安全に関する基本プラットフォーム(基本構造)と基本モジュール(基本装置)が解明されました。本基礎講座は、これらを3日間にわたりご紹介します。
IARMMは医療安全のみならず、感染症、災害、食品安全など様々な安全問題を取り上げています。SARSや新型インフルエンザといった感染症に関する国際会議も行ってきました。2021年9月にはオンデマンド会議形式で新型コロナウィルスについてもテーマとして取り上げます。実は、オンディマンド会議は2003年10月にもSARSのパンデミックに対して開催しました。
IARMMは世界各地の関連学会を派生し、2002年からは日本予防医学リスクマネージメント学会(JSRMPM)が誕生しました。2013年にこの日本学会からは医療安全に特化した日本医療安全学会(JPSCS)が誕生しました。
JPSCSは医療の安全は総合科学であることから、特定のキーワードだけの活動ではなく、諸分野からの様々な科学によって「高度な安全による高度な医療」を提供することを目指しているとのことです。
今回は、これらの日本国内の仲間の様々な大学における研究・活動のご紹介を含めて、本プログラムを編成しました。リスク分析、インフォームドコンセント、ガバナンスリスクと組織安全性、医療安全地域連携など新たなテーマも追加しました。
なお、医療安全文化の向上には、より高度な知識と機能を有する高度医療安全管理者が不可欠です。そこで、2015年から日本医療安全学会の協力の下、学会認定「高度医療安全管理者」資格制度を開始しており、すでに多数の方が資格を取得されました。本プログラムはこの認定資格取得における必須科目でもあります。
超一流の世界に達した人々は皆、「基本がすべて」と申されています。毎年新たな課題も交えた斬新なプログラムである本基礎講座をご堪能ください。
2021年3月
酒井 亮二 国際医療リスクマネージメント学会(IARMM)会長・理事長
主催者一同
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