臨床コーチング実習研修2014秋季 ― 多職種での医療安全の新技術 − 会期: 2014年10月12日(日)〜14日(火) 会場: 京都大学医学部創立百周年記念芝蘭会館 2階山内ホール
(1日の定数80名) 主催: 国際医療リスクマネージメント学会 |
プログラム
セミナーの狙い:
コーチングは、相手の主体的な目標達成を支援するコミュニケーションであり、企業におけるリーダシップ開発や、医療面接などに応用されています。本セミナーは、国際コーチ連盟認定プロフェッショナル認定コーチの資格を有し、これまでコーチング介入に対する科学的検証を数多く行った実績のある講師が担当します。
本セミナーでは、コーチングの概要を理解し、基礎的・実践的・応用的なコーチングスキルを学び、コーチングの医療安全における効果の理解と、コーチングの意義に対する各参加者の体感をとおして、コーチングにさらに興味をもち実践できることを目的とします。
また、具体的に診療・教育・組織の場面での実践例を紹介し、参加者自身が様々な場面でコーチングを実践できることを目指します。
参加者には受講証明書を発行いたします。
受講対象者: 国際医療リスクマネージメント学会の学会員、日本医療安全学会の学会員、医科医療安全管理者、医療対話推進者、歯科医療安全管理者、臨床リスクマネージャー、医薬品安全管理者、医療機器安全管理者、医師、歯科医師、看護師、薬剤師、歯科衛生士、臨床工学技士、放射線技師、臨床検査技師、その医療職。
(第1日目) 2014年10月12日(日) 午前10時30分〜午後5時
京都大学医学部創立百周年記念芝蘭会館 2階山内ホール
基礎編
入室開始 午前9時30分
午前12時〜午後1時 昼食
1.コーチングとは?
スポーツやビジネスだけでなく、いまや医療や教育に導入されてきているコーチング。コーチングとは何でしょうか、そして、ティーチングとの違いは何でしょうか?
2.コーチングを活用した医療安全
医療安全管理者がコーチングスキルを使うことで何が変わるでしょうか?
3.基礎的なコーチングスキルの習得
@ コーチングの基本スタンス(心構え)
コーチングの効果の違いを生み出すコーチの心構えとは何でしょうか?
A
ラポール
コーチングにおいてまず大切なものは何でしょうか?その大切なものを作り出すためにコーチングではどのようにするのでしょうか?
B
傾聴のスキル
傾聴するとはどのようなことでしょうか?そして、相手の反応に変化をもたらすためにはどのような傾聴の仕方をするといいでしょうか?
C
質問のスキル
コーチングにおける質問と普段の質問の違いとは何でしょうか?コーチングでは質問力が大切だと言われています。そのコツは何でしょうか?
D
承認のスキル
普段どのように承認されていますか?承認の仕方には3種類あり、伝え方にも工夫が必要です。
午後5時 第1日目閉会
(第2日目) 2014年10月13日(月・祝) 午前9時〜午後5時
京都大学医学部創立百周年記念芝蘭会館 2階山内ホール
実践編
入室開始 午前8時30分
午前12時〜午後1時 昼食
4.コーチングの効果―医療安全を中心にこれまでの研究結果から―
コーチングによってどのような効果があるのでしょうか?医療におけるそのエビデンスをご紹介します。
5.医療人のやりがいをもたらすコーチング流チームマネジメント
医療とは、一人ひとりの患者に対し、関係する専門職が集まり、チームとして治療とケアに当たることである。従来は、医療=治療であり、患者への医療の内容を(治療医)主治医が決定し、看護師、薬剤師、栄養士などの各専門職に指示するシステムが一般的であり、医療のパターナリズムを形成した。しかし、近年は、患者の状態に応じて複数の科、複数の職種にまたがるチームで医療サービスを提供していくのが本来のチーム医療の目指すところであるが、病院によっては未だパターナリズムが解消されないところが多い。そうした病院では、治療に直接関わらない医療人の『やりがい感』がもてない。『やりがい感』は自分が医療における貢献を感じることが出来、『モチベーション』と『チーム意識』を高めることが出来る。これが結果として、患者サービス、医療安全、医療の向上、病院経営に大きく寄与することになる。これらのプロセスにコーチングスキルを駆使して、コーチング流マネジメントを行い、真のチーム医療を構築する。
本セッションではこのコーチング流マネジメントについて概説する。
6.実践的なコーチングスキルの習得
@ 面談コンテクストの設定
A GROWモデル
B デモンストレーション、ロールプレイ
コーチングを実践するためには、コーチングをどのように進めるか、コーチには意図と構造が極めて大切です。デモンストレーションを通して、実際にコーチングセッションを行います。
午後5時 第2日目閉会
(第3日目) 2014年4月14日(火) 午前9時〜午後4時
京都大学医学部創立百周年記念芝蘭会館 2階山内ホール
応用編
入室開始 午前8時30分
午前12時〜午後1時 昼食
7.応用的なコーチングスキルの習得
@ フィードバックのスキル
相手のパフォーマンスが向上するためにはどのようにするといいでしょうか?そして、効果的な要素とは何でしょうか?
A メッセージのスキル
メッセージはその伝え方によって、相手の反応は変わります。自分の意図を相手に伝えるためにどのような工夫が必要でしょうか?
B アドバイスのスキル
自分の体験を相手に伝えるアドバイス。そのアドバイスが相手にとっても効果的となるためにはどのように伝えるといいでしょうか?
C リフレーミングのスキル
相手が否定的な発言をしたときにどのように返すといいでしょうか?相手にとって否定的であった意味が変わり、反応と行動が変わるリフレーミングを習得します。
D メタアウトカムのスキル
一見、否定的に見える言動にも必ず肯定的な意図があります。相手の肯定的な意図の引き出し方を習得します。
8.コーチングの意義・有用性
講師の診療・教育・組織の場面でのコーチングの活用例を紹介します。そして、参加者のみなさんにとってコーチングがどのような深い意義があるか、コーチングセッションを通してその意義を発見します。
3日間で習得したすべてのスキルを活用して、参加者のみなさんが明日からコーチングをどのように実践するかを、セッションを通してリハーサルします。
午後4時 全体閉会
(講師) 出江 紳一
東北大学大学院医工学研究科リハビリテーション医工学分野 教授
東北大学大学院医学系研究科肢体不自由学分野 教授
リハビリテーション科専門医
(協力者)田口 智博(三重大学医学部附属病院)、他
-----------------------------------------------------------------------------------
C)
IARMM 2013 このホームページはリンク自由です。