医療機関のための災害安全教育セミナー2012
--- 震災から学ぶ大災害のリスクマネージメント ---
(日本語社会人教育プログラム)
2011年3月の東日本大震災の被災地の皆様に対し心から深くお悔やみ申し上げます。
本連盟は全世界各地に会員が分布します。世界では過去10年間の間に、スマトラ沖巨大地震・津波、中国四川省地震、パキスタン大地震、米国のカテリーナハリケーン、ハイチ巨大地震、トルコ地震などが発生し、それらの死亡者の累積数は100万人近くに達し、被害は数億人に及びました。それらの危機管理のため、本連盟ではその情報発信を無料電子マガジン(英文)と全世界への膨大な電子メール緊急配信システムを通じて地球規模の国際支援を呼びかけております。
他方、日本は世界一の災害多発地帯です。日本は大陸プレート移動の端に位置し、狭い島国に多数の火山を抱え、モンスーンが山々に直撃し急な河川に膨大な水量が灌ぎこみます。そのために、地震、津波、火災、台風、洪水が多発し、日本は世界一の災害多発国です。日本予防医学リスクマネージメント学会を通じても10年前から災害の危機管理医療の向上のため多数の学際的学術集会を開催してまいりました。
さて、このたびの東日本大震災の特徴は、予測以上の巨大地震により、高さ30メートルにおよぶ巨大津波が発生したことです。これは20階建て以上の建造物に匹敵します。そのため湾岸の多数の街が水没し、福島湾岸の原子力発電所が多数爆発しました。
同時に、被災地の方々の危機に対する規律ある秩序と全国からの支援は、全世界から日本人だけの美徳として称賛されています。
しかし、被害は被災地の地域医療機関にも及び、本来には危機管理の拠点であるべき医療機関の大部分が喪失しました。被災地の医療機関では、連日にわたる災害の連発と、情報と物流の遮断に会い、孤島の激戦地の様相を呈しました。被災地の医療機関の職員はそれらの恐怖の中で緊急時医療活動に貢献し、あるいは逃避されました。
本教育プログラムでは地震、津波、原発事故など各種の大災害に対して、全国の医療機関が事前に備えるべきリスク対策、および大災害時の緊急時対策がどうあるべきかを、今回の東日本大震災の事例から学習します。
併せて、各種の大災害の発生メカニズムの紹介が日本を代表する各界の第一人者によって行われます。災害時の最前線に立つ医療従事者が日本では大災害の発生メカニズムの教育を受けてきていないため、全国の医療機関では大災害に適切な予防策と緊急時対応策の構築が不十分であることが、今回の大震災で明白になったためです。
以上、本プログラムから大災害の実例および各種大災害のメカニズムを詳しく知ることによって、各地の実情にあった医療機関の危機管理システムの構築ができます。
2012年12月
国際予防医学リスクマネージメント連盟 会長・理事長
日本予防医学リスクマネージメント学会 名誉理事長
酒井 亮二
主催者一同
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