医療安全教育セミナー(上級編)2015
(日本語社会人教育プログラム)
(医療安全管理研修会)
「安全は教育が基本は人類の永遠の課題」をテーマとして、本国際学会が日本で最初に開発した医療安全のための社会人教育プログラムである「医療安全教育セミナー」は、13年の歴史を迎えました。事の発端は、テキスト作りに対して交通安全教育協会役員からのご提言によるものでした。
さて、1世代を経て、日本では様々な医療安全活動が組織化され、医療安全に必要となる院内外の基本インフラが整えられました。しかし、全国の多数の医療機関からは、これらの医療安全の基本技術を円滑に院内で運用するためのより高度な知識が不足している、との指摘が寄せられています。
また、日本政府により本年度から医療事故調査制度が開始されます。事故調査方法の問題を含めて、医療事故時の対応における甚大な問題が多くの高度医療機関で多発しています。事故対応を適切に行うには、最新の危機ガバナンスを院内に構築することが不可欠です。
以上の観点から、今年度の第1日目は、医療事故時の危機対応に関連する最新の話題をお届けし、参加者との対話を行います。
第2日目は、医療安全活動にとって新しい課題を多方面から取り上げました。医療行為の標準化が日本医療界では遅れています。医療技術を安全に行う上で守るべき不可欠な最低の医療行為、すなわち標準化医療は、臨床安全の基礎です。
第3日目は、医療安全の現場が日ごろ抱える重大な幾つかの諸問題に関する斬新な解決策を話題提供いただきます。
以上にみるように、本年度は、医療安全ならびに臨床安全での諸課題に対する斬新な話題提供をいただき、これらは医療現場での明日の安全を確実に向上する、と確信しました。
なお、医療安全文化の向上には、より高度な知識と機能を有する高度医療安全管理者が不可欠です。そこで、本年度から日本医療安全学会の協力の下、学会認定「高度医療安全管理者」資格制度が開始されます。本プログラムはこの認定資格取得における必須科目でもあります。
2015年7月
酒井 亮二 国際医療リスクマネージメント学会 (IARMM) 会長・理事長
主催者一同
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