在宅歯科医療研修会2012秋季
― 在宅高齢者への歯科医療の在り方 −
厚生労働省では「在宅療養支援歯科診療所の施設基準の届出」にあたり、その施設基準の一部として、「在宅歯科診療及び口腔機能の向上策に係る研修」を受講した常勤の歯科医師が1名以上配置されていること、また、当該研修会での教育課題を掲げました。全国の医療施設の要請により、今回、本研修会を開催する運びとなりました。
居宅、施設あるいは病院で療養する高齢者の数は年々増加しています。こうした高齢者には食べることが大きな楽しみであります。同時に食べる楽しみはQOLの維持やADLの向上に大きな役割を果たしております。しかし療養している高齢者の多くは口腔機能の低下や障害があるため、食べる楽しみを味わえないのが現状であります。口腔機能障害を改善して食べる楽しみを回復させ、患者のQOLを確保し、ADLの向上をはかることは歯科医療の使命であり役割であります。最近では在宅患者や入所・入院高齢者に対する歯科診療が次第に広がってきています。そこで本連盟では「在宅歯科医療研修会2012」を本年3月、2日間にわたり開催したところ、満席の盛況となりました。
3月のセミナーでは受講がかなわなかった膨大な方々が全国におられ、再度の開催希望が多数寄せられています。そこで、「在宅歯科医療研修会2012秋季」を2012年9月16日(日)、17日(月)に再度開催いたします。
1日目は高齢者の咀嚼機能、咬合状態の評価と管理、在宅・入所・入院高齢者の口腔機能の評価と管理およびその歯科診療(口腔ケア)と医療連携、高齢者の服薬の特徴と注意点、高齢者の全身状態評価と緊急対応、在宅看護などの講演を予定しています。いずれも在宅および入所・入院高齢者の歯科診療に必要な基本的な事項をテーマとして取り上げました。
2日目には2つの講演を予定しています。ひとつは高齢者の心身および疾病の特徴に関する講演です。在宅あるいは要介護高齢者は心身の機能低下や慢性病変をかかえており、歯科医師はこうした高齢者の心身の特性および疾病に十分配慮して診療にあたる必要があります。さらに高齢者では摂食・嚥下障害を持つ患者も少なくありません。その機能回復をどうすべきか? 摂食・嚥下リハビリテーションの講演を企画いたしました。講師はそれぞれの分野で著名な専門家の方々ですので奮ってご参加ください。
なお、内容と講師陣は2012年3月の在宅歯科医療研修会とほぼ同じですので、3月の受講者は重複して参加できません。
2012年4月
国際予防医学リスクマネージメント連盟顧問
東京医科歯科大学名誉教授
海野 雅浩
国際予防医学リスクマネージメント連盟
会長・理事長 酒井 亮二
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