医療安全教育セミナー2013夏季 (医療安全管理に関する上級研修会) ― 医療安全の先端科学 − 会期 2013年7月29日(月)〜31日(水) 会場 東京大学伊藤国際学術研究センター講堂 (1日の定数400人) 主催 国際医療リスクマネージメント学会 |
プログラム
趣旨: 本教育プログラムは、高度な医療安全活動を構築するための最新の資料を与えるもので、内容は毎年新しい話題を取り上げています。なお、本プログラムは、厚生労働省の診療報酬改定による「医療安全対策」として診療報酬申請に加算する際に、加算の対象となる2013年度の研修教科内容の1部にもなります。この場合は、2013年度冬季セミナー(2014年1月の3日間実習)と併せて6日分を申請することをお勧めします。平成22年度診療報酬改定(平成22年告示第69号)により、専従医療安全管理者以外に、専任医療安全管理者が医療安全対策費の対象となります。参加者には受講証明書を発行いたします。
受講対象者: 国際医療リスクマネージメント学会の会員、医療施設経営者、医療安全管理者(医科と歯科)、リスクマネージャー、医薬品安全管理者、医療機器安全管理者、医師、看護師、薬剤師、臨床工学技士、放射線技師、臨床検査技師、法関係者、医療事務関係者、医療産業界関係者、学生、市民、その他
(第1日目) 2013年7月29日(月) 午前10時〜午後4時30分
東京大学伊藤国際学術研究センター・謝恩ホール
『医療安全とリスクマネージメントの先端科学』
受付開始 午前9時
(7月29日午前の部)
午前9時 開 会
午前10時〜午前10時30分 ガイダンス
午前10時30分〜午前12時 (質疑5分を含む)
「失敗の予防学 – その最新動向について」
中尾 政之 東京大学大学院工学系研究科機械工学教授
(概要) 畑村洋太郎東大名誉教授と共に創設した、「失敗から学ぶ」をスローガンとする失敗学。この失敗学に関する畑村研究室の後継者である中尾先生から、最新の研究動向を講義いただけます。
午後12時〜午後1時 昼食
(7月29日午後の部)
午後1時〜午後1時50分 (質疑5分を含む)
「欧米における医療安全研究と活動の動向について」
長村 文孝 東京大学医学研究所附属病院医療安全管理部部長、教授
午後1時50分〜午後2時 小休憩
午後2時〜午後3時20分 (質疑5分を含む)
「リスクマネージメントのレジデンス(強靭化)とは」
藤井 聡 京都大学大学院工学研究科教授、京都大学レジリエンス研究ユニット長、内閣府参与
(概要) 藤井先生は日本の現政府における危機管理政策の理論的支柱として、リスクマネージメントによる国土強靭化を推進しています。リスクマネージメントの強靭化という最先端の科学について講義いただけます。
午後3時20分〜午後3時30分 小休憩
午後3時30分〜午後4時30分 (質疑5分を含む)
「医療評価報告書の書き方」
宮田 哲郎 東大病院血管外科臨床教授
(概要) 宮田先生は医療安全に関する様々なテーマを学内外で推進しています。
午後4時30分 第1日目閉会
(第2日目) 2013年7月30日(火) 午前9時〜午後5時
東京大学伊藤国際学術研究センター・謝恩ホール
『医療安全とリスクマネージメントの先端技術』
受付開始 午前8時30分
(7月30日午前の部)
午前9時〜午前10時20分 (質疑5分を含む)
「医療機器の安全のあり方 - 人工心肺安全の安全を中心に」
許 俊鋭
東大病院重症心不全治療開発講座特任教授
(概要) 厚労省の医療機器安全管理専門委員を務め、人工心肺安全ガイドラインなど多数の実践的著書を持ち、医療機器安全について講義いただきます。
午前10時20分〜午前10時30分 小休憩
午前10時30分〜午前12時 (質疑5分を含む)
「ISO 9000sによる組織経営の効率や透明化」
小田部 譲 元日本規格協会調査役
(概要) 国際標準技術であるISO9000sは、組織のマネージメントに関する国際指針であり、その内容を紹介いただけます。
午前12時〜午後1時30分 昼食
(7月30日午後の部)
午後1時〜午後1時50分 (質疑5分を含む)
「患者と医療者が協働するコミュニケーションづくり」
山口育子 ささえあい医療人権センターCOML(コムル)理事長
(概要) 23年にわたり全国の患者・家族のなまの声を聴いてきた活動の経験から、医療安全の基本であるコミュニケーションの必要性についてお伝えします。
午後1時50分〜午後2時 小休憩
午後2時〜午後3時50分 (質疑5分を含む)
(座長) 宮田 哲郎、東大病院血管外科臨床教授
「医療現場に適切なヒューマンファクター技術のあり方 (VTAを含む) 」
小松原 明哲 早稲田大学理工学院教授
(概要) 医療安全のための必要となるヒューマンファクターの知識と技術を概説する。中でも、事故原因分析の主たる方法であるRCA (root cause analysis)の効果的な用い方、テーム医療の分析に有効なVTA(variation tree analysis)、`再発防止対策立案のポイントなどを紹介する。
午後3時50分〜午後4時 小休憩
午後4時〜午後5時 (質疑5分を含む)
「ハーバード大学リスクマネージメント財団(RMF)における医療安全の活動概要」
小林 肇 (株)日本アルトマーク・メディカルディレクター
(講師紹介) 日本医科大学卒。 ハーバードリスクマネジメント財団の医療安全部にてインターンを行い、ハーバード関連病院の医療安全対策プロジェクトに参加。ハーバードメディカルシミュレーションセンター・産科教育チームの一員として、医療安全のためのコミュニケーショントレーニング、チームワークトレーニングを行った。
午後5時 第2日目閉会
(第3日目) 2013年7月31日(水) 午前9時〜午後5時
東京大学伊藤国際学術研究センター・謝恩ホール
『医療安全の危機管理、教育、コミュニケーション』
受付開始 午前8時30分
(7月31日午前の部)
午前9時〜午前9時50分 (質疑5分を含む)
「医療事故対応訓練 -- 神奈川県看護協会の場合」
水元 明祐 東海大学病院看護部看護師長
(講師紹介) 講師は神奈川県看護協会による医療事故対応訓練プログラム作成のワーキンググループの責任者です。
午前9時50分〜午前10時 小休憩
午前10時〜午前12時 (質疑5分を含む)
シンポジウム 「医療における各種安全管理者の連携のあり方」
(座長) 海野 雅治、橋田 亨
(シンポジスト) 各25分
医師 の立場から 海野 雅治 (東京医科歯科大学歯学部付属病院元副院長、名誉教授)
薬剤部の立場から 橋田
亨 (神戸市立医療センター中央市民病院薬剤部長、院長補佐)
看護師の立場から 金子 恵美子 (東京女子医科大学病院医療安全対策室医療安全管理者、同看護副部長)
医療機器管理の立場から 酒井 基広 (東京女子医科大学病院病院臨床工学部ME機器管理室技師長、東京都臨床工学技士会会長)
総合討論 20分
(概要) 医療というチームワークの場では、多職種間の円滑な協同の失敗が甚大な医療ミス・医療事故を引き起こします。多職種間チームを前提にした円滑な医療安全をどのように展開すべきかが討議いただきます。。
午前12時〜午後1時 昼食
(7月31日午後の部)
午後1時〜午後2時20分 (質疑5分を含む)
「心臓血管外科の医療安全 - 日本心臓血管外科学会手術データベースを中心に」
本 眞一 三井記念病院院長、東大名誉教授、日本心臓血管外科学会同データーベース代表幹事
(概要) 本データベースは、術後の有害事象と合併症の差を明確に定義し、医療事故の対象を明確に指摘できます。このような考え方は、臨床医学の他の諸専門分野の模範となりえます。そこで、今回その詳細を講義いただけます。
午後2時20分〜午後2時30分 小休憩
午後2時30分〜午後3時20分 (質疑5分を含む)
「医療安全教育の訓練シミュレーターに対する医療安全管理者の評価について」
松村 由美 京大病院医療安全管理室室長、准教授
(概要) 京都大学では医療安全に関する教育訓練シミュレーターを開発しております。その開発チームメンバーでもある松村先生から、開発をどのように進めるべきかについて、医療安全にたずさわる臨床家の立場から提言いただけます。
午後3時20分〜午後3時30分 小休憩
午後3時30分〜午後5時 (質疑5分を含む)
「交流分析とコミュニケーション」
野村 忍 早稲田大学人間科学学術院教授
(概要) 交流分析という心理学での方法は、円滑なコミュニケーション技術の発達にも大いに有効です。その技術は医療安全の大幅な改善に不可欠です。
午後5時 全体閉会
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